仏壇・仏具について


仏壇

 お仏壇は天武天皇の「詔」により全国の堂舎にまつられた「お厨子」が原形です。江戸時代には一般家庭にもまつられるようになって、全国に普及しました。最上段の中にご本尊、その両脇に脇侍仏やお軸をかけます。上卓(うわじょく)の上に仏飯器や茶湯器を供え、前卓に花立て、ローソク立て、香炉の具足を飾ります。


@須弥壇
A宮殿
Bご本尊
C脇侍
D上卓
E前卓
F内扉障子
G扉


位牌の種類

 位牌は中国から儒教とともに日本に伝えられました。鎌倉時代に禅宗の寺院で用いられていましたが、一般家庭でも用いるようになったのは江戸時代以降です。幕府の宗教政策により家々ごとに仏壇をまつるようになってから先祖を大事にする日本人の大切な供養方法として定着したものです。
 形はいろいろありますが、大きく分けると札位牌(一枚位牌)と繰り出し位牌(十枚程度収納してある)の二種類があります。まつる位牌が多くなると、繰り出し位牌は大変便利です。命日が来たらゆかりの故人の位牌を最前面に繰り出します。

↑ 左より純金位牌、漆塗位牌、繰り出し位牌


合掌と数珠

 合掌はもともとインドに古くから伝わる敬礼法で相手を敬う作法。仏教徒の礼拝作法では右手を仏とし、左手は自らを表すと考え、その両方が重ねられることで仏と自らが合体し、祈る心、仏になる心を表しています。つまり仏前での合掌は仏に帰依し恭敬することを意味するのです。
 数珠は仏前のお参りに欠かせないものです。当初は数を数えるのに使われたようですが、仏教に取り入れられてからは、念仏や唱名の数をかぞえるのに便利なように創案されたといわれます。玉数は百八個や五十四個、そのまた半分の二十七個などいろいろありますし、僧侶用と在家用でも形に違いがあります。一般には宗旨に関係なく利用できる八宗兼用のものが多いようです。正式な法事や大切な仏事の参加には欠かせないものですが、時としてうっかり忘れてしまうことがあります。最低一家に一個、職場のロッカーに一個念のために礼服や黒ネクタイと一緒にしまっておくとよいかもしれません。